- ビジネスモデルを創ることに興味があり、“ビジネスモデル入門”的な知識を得たい
- 「あの企業のサービスは面白いけれども、ビジネスモデルはどうなってるのだろう?」という興味がある
- いつか自分も新しいサービスを創り出したいと考えているが、そのヒントとなるようなアイディアが欲しい
通常の読書会のように短時間で本の概要を知るのではなく、ビジネスモデルをしっかりご理解いただくことを目的としていますので、取り上げられている100の企業の中から、3~4社のビジネスモデルを丁寧に解説します。
こんにちは。日本橋ビジネスサロン KITEN代表の杉崎 晃広(すぎさき あきひろ)です。
私は普段ITコンサルタントとして多くの企業のサポートをさせていただいていますが、その一方で起業家や企業の新規事業立ち上げのための支援を行うコンサルタントとして活動しています。また、「ビジネスモデル7種類22分類の型」を活用したビジネスモデル設計支援ための講座を、ビジネスモデル・デザイナー®認定講師として起業家の皆さまに提供させていただいています。
『ビジネスモデル2.0図鑑』の面白い点ですが、「逆説思考」でビジネスモデルが出来上がるというポイントでまとめているところです。
例えば、書籍の中に取り上げられている企業で俺の株式会社がチェーン展開している「俺のフレンチ」があります。
フレンチレストランといえば、座って高級な料理をゆっくり時間をかけ、高いお金を払って食べるというのが今までの常識でした。
しかし、「俺のフレンチ」は正統派ともいえるフランス料理を、立ち食いで安く、しかもサッと食べるという逆説をひっさげて参入したわけです。
通常のフレンチの食材原価率は3割程度のところ、「俺のフレンチ」では原価率6割です。しかしながら立ち食いというスタイルを導入することで回転率が4倍となり、しっかり利益が出る仕組みです。
まさにこの『ビジネスモデル2.0図鑑』で述べている「逆説思考」でビジネスモデルが出来上がっていると言え、非常に面白いと思います。
「フレンチレストラン」というマーケットですが、競争が激しい、いわゆるレッドオーシャンの世界でしょう。
一方でこの「俺のフレンチ」は「安い立ち食いだけど、おいしいフレンチ」という、これまでにない新しいカテゴリーです。競合が全然いないことから、まさに競合ゼロのマーケットといえます。
そういった意味で考えると、この書籍ではマーケットの側面が強調されています。
しかし成功するビジネスモデルとは、参入する(または創り出す)するマーケットだけでなく、そのビジネスモデルの型が大切だと思っています。
私が修得しているビジネスモデル・デザイナー®の手法では、ビジネスモデルは7つの型に分類して考えます。次の図は、私たちビジネスモデル・デザイナー®が、コンサルティングの現場で使用する7種類22分類の型を表す図です(一部非表示にしてあります)。
この7種類22分類のビジネスモデルの型のうち、「俺のフレンチ」は2つの型のビジネスモデルが重要な役割をはたしていると思っています。
簡単にこれを表すと次のように言うことができます。
では型という観点から見ていきましょう。
型1:価値を転換する
フレンチレストランというと、普通は高級そうな場所で少し裏通り、仮に表通りだとしても地下や2階の目立たないところ、店舗内スペースは広め、といったイメージで、路面店はあまりありません。
一方で「俺のフレンチ」は、どちらかというと牛丼屋や立ち食いソバやに適したような表通りの1階、しかも狭くて縦長な物件を活用し、気軽に入れる感じを創り出しています。
こういった物件の価値を転換し、本来とは違う用途で活用することで新たな価値を生み出しています。
型2:プロデュースする
もう一つは、腕のいいフレンチシェフのプロデュースという面です。
日本には、実は腕の良いフレンチシェフが結構いるようですが、活躍の場があまりありません。フレンチレストランは、やはり一般庶民には遠い存在のため、たくさん店舗を作ったとしても長続きしないでしょう。
しかし、「俺のフレンチ」のような形態でフレンチが気軽に食べられるならば、「フレンチは敷居が高い」と感じていたお客さんも呼ぶことができ、活躍の場が増えるわけです。
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簡単に「型」という観点から分析しましたが、「競合ゼロのマーケット」に「価値転換」と「プロデュース」というビジネスモデルの型を掛け合わせることで、ビジネスとして成功する確率が格段に上がるわけです。
『ビジネスモデル2.0図鑑』はビジネスモデルという難しいテーマをシンプルにまとめている素晴らしい本だと思います。また取り上げている事例も興味深くて面白いモデルばかり、しかも100モデルも丹念に集められ、とても敬服しています。
ただ、ビジネスモデル図はとてもクールでカッコイイのですが、(単に私にセンスと頭がないだけかもしれませんが)ビジュアルとは裏腹に、ポイントとなる各要素と、流れを示す矢印を丁寧に読み解かないと、ビジネスモデルという概念に慣れていない読者には少し理解しにくいのではないかと感じています。
そこで、この『ビジネスモデル2.0図鑑』をしっかり理解するにあたり、「競合ゼロのマーケット」×「ビジネスモデルの型」という切り口で整理し、みなさんと一緒に学んでみたいと思います。おそらくみなさんも新しい発見があってイマジネーションが広がるのではないでしょうか。
ワークショップにご参加いただくにあたり
- 『ビジネスモデル2.0図鑑』を読んでいなくてもご参加いただけます。また書籍を持参いただかなくても、取り上げる企業のビジネスモデルについては、講師から概要を説明いたします。
- ビジネスモデルに正解はありません。思い付いたらアイディアを気軽に発言ください。わいわい盛り上がりましょう
- 終了後、希望される方は、懇親会を兼ねてゆるいランチ会(実費)をしましょう
ファシリテーターの紹介
2019年度上半期最優秀ビジネスモデル・デザイナー®賞受賞
ITとビジネスモデル設計を用いたコンサルティング。一人社長の小さな会社が上場企業3社から直接依頼を受けたり、志はあるけれども収益化できていないPO法人の活動が日経新聞やNHKなどの大手メディアに取材を受けるなどの実績あり。2018年末より『日本橋ビジネスレビュー』を創刊。編集長としてビジネスモデルの事例研究を起業家に向けて提供
ワークショップ概要
開催日程 | 2020年4月11日 (土) 10:00~11:30 |
開催場所 | 銀座近辺(参加申込みいただいた方に詳しい会場をお伝えいたします) |
参加料金 | KITEN会員:無料 一般の方:2,000円(税込) ビジネスモデル・デザイナー®:1,000円(税込) |
定員 | 5名 |
ランチ会 | 会場の近くでランチ会を予定しています。実費となりますが、ぜひご参加いただき、新たな繋がりを見つけていただけると嬉しいです。 |
ご注意
- お申し込みいただきました方に詳しい会場をご連絡させていただきます。
- お支払いにつきましては、Paypalにてお願いいたします。(お申し込み内容確認後、事務局よりPaypalでのお支払いリンクをお送りさせていただきます。)
- ランチ会については実費となります。予算目安については1,000円~1,500円程度で考えています。
IT技術やWeb施策に加え、ビジネスモデル設計手法を用いたコンサルティングを行っています。2017年から2018年にかけて不動産取引問題を扱うNPO法人のITサポートや事業設計、地方創生支援を行う団体のイベントプロデュースを行い、それらの事業や企画が、日経新聞やNHKといった大手全国メディアに20回以上取り上げられました。
2018年末より、コンサルタント数名と一緒に『日本橋ビジネスレビュー』をKindle版で創刊し、編集長としてビジネスモデル研究を本格的に始めました。